どうも!もぐすけです!
長い間三つ巴状態だったところに楽天が参入してきたり、5GやIoTといった言葉が社会トレンドになったり、携帯料金を上げるだけ上げて、1年も経たず退陣したりと何かと話題の通信業界ですが、今回はそんな大手3キャリアについてどの銘柄が買いなのか?比較してみようと思います。
- 通信株の魅力について知りたい方
- 大手キャリア3社の株に興味がある方
- どれを買えばいいか迷っている方
通信株の魅力
さっそくだけど通信会社ってどんなイメージがある?
そうですね~
なんとなく安定してそうだな~って気がします!
そうだね!
インターネットは社会インフラにもなってるし、3社とも業績はすごく安定しているよ。その他の魅力は下の通りだね。
今の時代インターネットがなければ仕事にならない人も多く、社会インフラにすらなっています。
景気が悪くなったら、携帯を解約しようかな~?
とはならないですよね。
需要がなくならず、業績が安定しているというのは非常に魅力的です。
また通信業界は通信設備を整えるための初期投資が莫大にかかるため、新規で参入するのが非常に難しい業界です。
近年新規参入した楽天を見ると、基地局の設置や1年間携帯料金無料キャンペーンなどもあり、2021年の通期では922億円の赤字になると予想しており、2019年から3年連続の赤字の見込みです。
やっぱりキャリアの参入ってものすごく大変なんですね…
さらに5GでIoT化進むことにより、インターネットがさらに手放せないものになります。
メガネや家電、車などの分かりやすい物はもちろん、物流や農業、介護など、あらゆる業界に浸透していくでしょう。
昔は時計やイヤホン、タバコがインターネットに繋がるなんて考えてもなかったですからね!!
会社の特徴
NTT
まずはNTTからです。
元々は1952年に日本電信電話公社という国営企業として発足し、より通信の自由化を目的に、1985年に民営化されました。
因みにNTTは、「Nippon Telegraph and Telephone Corporation」の略らしいですよ。
NTT東日本・西日本、NTTコミュニケーションズ、NTTデータなどを傘下に持ち、2020年には通信会社であるNTTドコモを完全子会社化し、現在は日本で4番目に時価総額の大きい会社になりました。
移動系通信(docomo、ahamoなど)のシェアは42.5%と1位、固定系通信(フレッツ光など)では65%でこちらも1位とかなり高いシェア率になっているのが特徴です。
NTTデータもSIerでは業界第3位みたいですね!
資金力もあり、元が国営企業ですからシェア率も圧倒的。THE・安定って会社ですね。
KDDI
次はKDDIです。
2000年にDDI、ケイディディ、IDO3社の通信事業会社が合併し、KDDIが誕生しました。
なんかめっちゃ単純ですね…
移動系通信では31%のシェアで第2位、固定系通信でも11%と第2位になっています。
主なグループ企業には、沖縄で携帯事業を展開しており、県内シェア50%超で個人投資家にも人気の沖縄セルラー、インターネットサービスプロバイダーのビッグローブ、価格.comや食べログを運営するカカクコム、金融機関のauじぶん銀行などがあり、時価総額は日本で12番目に大きい会社です。
特に沖縄セルラーは20年の連続増配企業で、加えて1年に1回最低3,000円分のカタログギフトがもらえることから、個人投資家にも人気の会社ですよ!
KDDIの特徴はアメリカ、ヨーロッパなど海外にも通信拠点を持っており、モンゴル、ミャンマーでは国内シェアNo.1となっています。
また売上の17%が法人向けサービスと、法人の割合が高いのも特徴です。
最近では携帯キャリアだけではなく、それに付随するサービス(金融やショッピングなど)にも力を入れており、au経済圏という言葉も出てきていますね。
ソフトバンク
最後はソフトバンクです。
ソフトバンクグループ【9984】の傘下企業で、2台持ちウィルコムが大流行し、「着うた」が浸透してきた2006年にボーダフォンを買収してできた会社です。
携帯電話のシェアは25%と業界第3位ですが、M&Aによる企業買収・事業投資に積極的で、主なグループ会社にはヤフー(Zホールディングス)、LINE、PayPay、ZOZO、さとふるなど330社にものぼり、時価総額は国内16位です。
携帯電話のシェアは頭打ちですから、いかに他のサービスで利益を上げられるかがカギですね。
囲い込みという意味では、日本で9,000万人近くのユーザーがいるLINEや、キャッシュレス決済シェア45%以上で業界トップのPayPay、ECサイト売上2位のヤフー、4位のZOZOを抱えているので、NTT、KDDIと比べても圧倒的な強みを持っています。
また配当利回りが6%近くもあり、他の2社と比べて1株あたりの株価が安いので、個人投資家からも人気があります。
3社の比較
株価
NTT | KDDI | ソフトバンク | |
---|---|---|---|
1株あたりの株価 | 3,204円 | 3,388円 | 1,449円 |
3社の株価を比較してみます。
ソフトバンクの上場が2018年12月なので、直近2年の株価です。
NTTが15%上昇と一番高く、KDDIとソフトバンクはあまり変わりません。
ソフトバンクが値段的には一番買いやすいですね~
2020年の3月はコロナショックの大底ですが、不況に強い通信事業ということもあり、それほど下げていません。
コロナより2020年9月に首相に就任した菅政権による携帯料金引き下げの効果のほうが大きいという…
売上高・営業利益・当期利益
NTT
売上高 | 11兆9,400億円 |
営業利益 | 1兆6,700億円 |
当期利益 | 9,100億円 |
売上高はここ数年ほぼ横ばいではあるものの、着実に伸びています。
NTTドコモの料金プラン値下げによる減益はあったものの、dカードなどのクレジット決済、NTTデータの増収・増益もあり、2021年の当期利益は1兆円を超える見込みです。
KDDI
売上高 | 5兆3,100億円 |
営業利益 | 1兆300億円 |
当期利益 | 6,500億円 |
KDDIもここ数年はNTT同様頭打ちの状態ですが、営業利益率が20%超えと非常に高いです。
やはりKDDIも通信事業での売上は減っているものの、金融部門、法人部門の成長が売上をカバーしています。
2014年の大幅な売上増加はJCOMの買収によるものですね。
ソフトバンク
売上高 | 5兆2,000億円 |
営業利益 | 9,700億円 |
当期利益 | 4,900億円 |
他の2社と比べて歴史が浅いソフトバンクですが、こちらも通人事業の売上減をヤフー・LINEの売上増でカバー。
LINEとZホールディングスの経営統合のインパクトは大きかったですね。
配当利回り・配当性向・増配年数
NTT | KDDI | ソフトバンク | |
---|---|---|---|
配当利回り | 3.4% | 3.6% | 5.8% |
配当性向 | 42% | 42% | 82% |
増配年数 | 11年 | 20年 | 2年 |
配当利回り
ソフトバンクだけやや高めですが、日本の平均利回りが2.1%前後ですから、どの会社も軒並み高配当株と言えます。
アメリカではAT&T【T】、ベライゾン【VZ】も同じ通信会社の高配当銘柄で有名ですね。
配当性向
配当性向もソフトバンクがずば抜けて高いです。
あのJTより全然高いですね…
何か理由はあるんでしょうか?
孫さんが社長のソフトバンクグループが40%を占める大株主だから、親会社の資金源確保のため高配当を維持しているんだろうね。
株主優待
NTT
KDDI
ソフトバンク
実施なし
NTTは100株以上を2年以上保有すると、保有年数に応じてdポイントで還元、KDDIも保有年数によって内容は変わりますが、100株以上1年保有で最低3,000円分のカタログギフトがもらえます。
ボク的に株主優待は日本株を保有する一番のモチベーションです!
株主優待と言えばオリックスも有名ですよね~
優待だけで見れば、1年保有で3,000円分のカタログギフトがもらえるKDDIが魅力的です。
まとめ
NTT | KDDI | ソフトバンク | |
---|---|---|---|
時価総額 | 116,049億円 | 78,066億円 | 69,390億円 |
自己資本比率 | 32.9% | 45.2% | 12.4% |
PER | 10.7倍 | 11.7倍 | 13.6倍 |
ROE | 11.02% | 14.25% | 39.1% |
ROA | 3.99% | 6.48% | 4.46% |
配当利回り | 3.4% | 3.6% | 5.8% |
配当性向 | 42% | 42% | 82% |
増配年数 | 11年 | 20年 | 2年 |
株主優待 | dポイント | カタログギフト | なし |
一覧で見ると、増配年数が一番長く、まだまだ増配の余力があってROE(自己資本利益率)の高いKDDIが良さそうな気がします。
それだけだとソフトバンクのROEも40%近くあって良さそうに見えるんですが、ダメなんですかね~。
ROEは自己資本に対してどのくらい利益が出せているかを測る指標だから、自己資本比率が低ければ、その分ROEも上がっちゃうんだよね。ソフトバンクの自己資本比率は他の2社と比べて12%とかなり低いから、ROEだけじゃなく自己資本比率やROA(総資産利益率)も確認するといいかもね。
おススメの銘柄はどれか?
最後に結論として、3社のうちどこの銘柄が良いのかという点ですが、次の3つの観点から確認してみます。
- 法人向け事業への取り組み
- 通信事業以外の売上
- 株主還元率
現在の携帯電話普及率は約97%となっており、国内の人口増加も見込めません。
そうなると法人向けの事業を強化するか、それに付随するサービスで売上を強化するかになりますが、法人事業に関してはKDDIが強く、付随サービスではソフトバンクに強みがあります。
NTTに関しては法人ビジネスの売上が非開示のため単純比較できないものの、KDDIの法人向け売上比率は全体の17.5%と高く、約5兆ある売上のうち9,900億円は法人向け事業によるものです。
今後IoTが進むなかで、いかに法人事業の売上を伸ばせるかが重要になってきますね。
付随サービスに関しては3社とも売上を伸ばしているものの、国内ではLINE、PayPay、ZOZOと圧倒的顧客数を抱えるソフトバンクが抜きんでており、売上の増加率も一番高いです。
NTTとKDDIは通信キャリア以外あまりパッとしてないですからね~
最後に株主還元についてですが、自社株買いにも積極的なNTT、20年連続増配のKDDI、高配当のソフトバンクと3社とも魅力があります。
個人的には今後さらに法人向けの需要が加速するのが予想されるので、法人事業のシェアも高く、増配余力もあってROEも高いKDDIを推したいですね。
まとめ
- 国内シェアトップで財務状況をしっかりしており、安定志向ならNTT
- 20年の連続増配実績があり、法人需要の増加を期待しているならKDDI
- 通信以外の事業に強みがあり、高配当に魅力を感じているならソフトバンク
ボク個人はKDDIを保有していますが、将来は誰にも予想できないので、自分に合った銘柄探しの参考にしてもらえると幸いです。
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