どうも!もぐすけです!
今回は私も保有している、配当利回り7%超のJTに投資をする際の注意点についてまとめてみました!
JTとは?
事業内容
「ひとの、ときを、想う。」というフレーズでお馴染みのJT(日本たばこ産業株式会社)は、会社名の通り主にタバコの製造や販売を行っている会社です。
紙たばこではメビウス(元マイルドセブン)やセブンスター、加熱式タバコのプルームテックが有名ですね!
その他フィリピンやロシア、インドネシアなどの海外のタバコ事業にも積極的に投資を行っており、事業拡大を進めております。
日本たばこ産業と聞くと国内のイメージが強いですが、生産数も売り上げも、海外の方が大きいんですね!
因みにJTはJapan Tabaccoの略ですよ!
株価
直近5年間のチャートを見ると、、すごくきれーーいな右肩下がりですね…
ここ最近購入した方以外は、ほぼ含み損を抱えている人ばかりではないでしょうか?
一時最高値5,000円近くまで高騰していたので、そこから50%以上も下落してしまっています。
ただこれはJTが悪いという訳ではなく、米国のタバコ産業大手のアルトリアグループ、フィリップモーリス社のどちらもJTと似たような株価推移になっていますから、この下落は世界的なトレンドであるとも言えます。
主な項目
売上高
売上に関しては2015年からほぼ横ばいになっています。
喫煙者が減少しているなか、かなり健闘していると言えます。
営業利益
一番重要な営業利益です。
やはり営業利益も減少傾向ですが、飲食店などで喫煙ができなくなったり、値上がりしたりするなか、減少幅は少ないのではないでしょうか?
タバコを吸う人はどんな環境になっても吸い続けるので、売上に大きな影響はないのかもしれませんね。
なんせアメリカでは生活必需品に分類されていますからね…
当期利益
2019年もガッツリ黒字です。
さすが営業利益率20%超の会社なだけあります。
もちろん企業内の人員削減など、締めるとこはしっかり締めていますよ。
EPS
株価を決める重要な要素のEPSですが、株価が右肩下がりなのでEPSも同様の推移になっています。
EPSは1株あたりの純利益で算出されるので、EPSを上げるには純利益を増やす必要がありますね。
PER
本日(1/15)時点でのPERは、11.78倍です。
PBR
本日(1/15)時点でのPBRは、1.5倍です。
利回り
約7%です。
超が付くほど高配当です。
東証の配当利回りランキングでは、常にTOP20を維持しているほどの常勝軍団です。
配当推移
実はJTは2019年まで16年連続増配を続けていたのですが、2020年の配当が横ばいの1株あたり154円になることが決定し、連続増配記録がストップしてしまいました。
ただ100株保有していれば15,400円の配当がもらえるので、満足のできる配当実績ではないでしょうか?
3つの注意点
タバコに偏った売上高と、喫煙者数の減少
JT約2兆2,000億円ある売上高のうち、たばこ関連の売り上げが約90%を占めています。
全世界で、アンチ喫煙運動を受けている逆風の中にも関わらずです。
2020年4月には健康増進法の改正により屋内での喫煙が原則禁止とされましたし、星野リゾートに代表されるように、喫煙者の採用はしないと公表する会社まで出てきています。
駅のホームや大学構内でタバコが吸えた時代が懐かしいですね。
こうした反喫煙の動きが年々厳しくなっていることもあり、人口減少も相まって喫煙者数は減少し続けています。
喫煙者数は年々減少しているのにも関わらず、JTの売上の9割はたばこ事業で占めている訳ですから、非常に危険な状態であることが分かりますね。
株価は将来の売上や成長率を見込んで決定されると言われていますから、喫煙者数の減少で成長性の低いたばこ関連企業の株価が低迷しているのも頷けます。
ただ一部反論をするとタバコには中毒性があり、喫煙者が0になるというのは考えられないので、市場が縮小しているなか売上を維持するため(消費単価を高めるため)に、JTは繰り返しタバコの値上げをしています。
2000年には1箱250円だったのが、今では2倍以上の500円を超えてますからね。
なのでJTには喫煙者が減少するならタバコの単価を上げ、売上を落とさないようにする強硬手段を取る選択肢もあるのですね。
値上げが行き過ぎると消費者も離れてしまいますから、付かず離れずの距離感が難しい…
また国内タバコ事業の売上は年々減少を続けていますが、実は売上の6割を占める海外タバコ事業に関しては年々売上を伸ばしているのです!
JTは積極的に海外のタバコ事業をM&Aで買収しているので、インドネシアやタイ、ロシアなどの特に新興国ではまだまだ成長の余地があると言えるのです。
国内だけではなく、海外にも目を向けてみようということだね!
ESG投資への逆風
ESG投資とは、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)の略で、
- 環境 :地球温暖化への配慮、環境汚染問題への対応
- 社会 :労働環境や女性活躍社会の推進、地域活動への貢献
- ガバナンス:財務情報の公開、社外取締役の独立性
これら3つの項目に配慮している企業への投資を進めていこうという方針のことです。
なので反社会的事業とされるタバコやアルコール、ギャンブルに関連する企業はこの方針から外れることになり、株価の押し上げを支える機関投資家の参入を阻害する要素になっています。
このESG投資の動きは年々広がりを見せており、いくらJTが海外タバコ事業の売上を伸ばしても、機関投資家の参入が見込めないのであれば、株価の大幅な値上がりは期待できないでしょう。
では逆に、ESGに配慮している企業の株価はどうなのでしょうか?
下の図はSUSAという環境・社会 ・ガバナンスの点で優れた特性を示す企業に投資をする米国ETFですが、JTの株価とは反対にキレイな右肩上がりを示しているのが分かります。
ETFとは企業の詰め合わせパックで、このETFの構成銘柄にはアップルやマイクロソフト、グーグルやテスラなど米国を代表する名立たる企業で構成されているので、ここ数年絶好調だったアメリカと比較するのはフェアではないかもしれませんが、このように大幅なリターン差が出ていることは事実です。
お金の集まる所に投資をするのが株式投資の鉄則ですから、JTを投資のメインに据えるのは危険と言えますね。
90%に近い配当性向
配当性向とは、企業の利益である純利益から、どのくらいの割合を株主へ還元しているかを示す指標です。
日本企業の配当性向は20~30%と言われていますから、2020年度におけるJTの配当性向89.6%というのが、いかに高いかが分かりますね。
JTは16年連続で増配を続けていたこともあり、2012年から年々配当性向が高くなっているため、配当金に充てる原資がいっぱいいっぱいになってきています。
JTのキャッシュフローは潤沢にあることから、一時的にこれまでの利益分から配当に回すことも可能ではありますが、当然利益が減れば現状の配当を維持できず、減配する可能性も十二分に考えられるため、JTに代表されるような高配当株へ投資する際には減配リスクも考慮したうえで投資をする必要があります。
これまで高配当を維持していた日産が配当0円を発表し、株価が急落したということもありますから、減配=株価の下落というダブルパンチもあり得ます…
まとめ
- タバコ産業は喫煙者数の減少により斜陽産業ではあるが、売上の6割を占める海外事業にも目を向けて投資を検討する必要がある
- ESG投資の逆風を受けるJTは、機関投資家から目を向けられず、大幅な資金流入が見込めない可能性が高い
- 高い配当性向は将来の減配のサイン!?減配リスクを考慮したうえで自己責任で投資をしよう
その他にも円高による為替リスクや、タバコによる健康被害での訴訟リスクもありますが、個人的には今後も長期で保有する予定です。
ただリスク分散のためにも、保有比率は10%を超えないよう運用を続ける予定です。
やはり利回り7%超えの魔力には逆らえませんね…!!
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