どうも!もぐすけです!
今回はアメリカの通信会社大手AT&Tとベライゾン、どちらが長期保有に向いているか、検討してみました!
5Gへの移行が進むなか、どちらに投資すれば良いか、気になるところですね!!
- 通信関連株の魅力について知りたい方
- AT&Tとベライゾン、どちらに投資しようか迷っている方
- 両社の事業計画や今後の方針について知りたい方
通信関連株の魅力
通信の特徴としては電気、水道、ガスに並ぶ生活インフラとして、なくてはならない存在になっています。
そのため不況に強く、コロナショックのような暴落時でも安定的な収益を出すことができるのが魅力です。
また2021年現在では「5G」の過渡期であり、IoT化が進むことでさらに通信への依存が強くなることは間違いありません。
ここ数年グーグルやフェイスブックなどの成長率がもの凄いですが、その背景にあるのは通信会社が提供するネットワークがあってこそですからね。
会社概要について
AT&T
AT&Tは、世界最大手の情報通信会社です。
情報通信会社というと、日本でいうドコモやKDDIに近いビジネスモデルではありますが、AT&Tはメディアコングロマリットと言われ、多角的な展開をしております。
事業の構成は主に通信事業、ワーナーメディア事業、ラテンアメリカ事業、Xandr事業の4つに分類され、あの映画配給で有名な「ワーナーブラザース」もAT&Tの傘下になっており、2015年当時約850億ドルでの買収が話題になりました。
通信事業だけではなく、他事業への投資も積極的に行っているんですね!
その他には、485億ドルで買収した衛星放送の「ディレクTV」があるよ!
ベライゾン・コミュニケーションズ
ベライゾンは、AT&Tに次ぐ世界で2番目に大きい情報通信会社です。
AT&Tは2015年にダウ平均株価の採用銘柄から外されている一方、ベライゾンは2021年現在でもダウ構成銘柄として採用されています。
AT&T同様M&Aを積極的に行っており、アメリカのYahoo!も2017年からはベライゾンが運営をしております。
ただ多角的な経営を目指すAT&Tとは違い、ベライゾンは携帯の利用者に無料で「ディズニー・プラス」を付帯するなど、本業に重点を置いたサービスを展開しております。
AT&Tとベライゾンの比較
基本情報
AT&T | ベライゾン | |
---|---|---|
売上高 | 1717.60億ドル | 1282.92億ドル |
営業利益 | 64.05億ドル | 269.67億ドル |
営業利益率 | 3.72% | 21.02% |
当期純利益 | -51.76億ドル | 178.01億ドル |
自己資本比率 | 32.10% | 21.24% |
EPS | 2.23ドル | 5.04ドル |
ROE | -3.10% | 27.54% |
PER | 約12.9倍 | 約10.9倍 |
AT&T
衛星放送の「ディレクTV」の155億ドルもの超巨額赤字損失や、コロナの影響を受けた映画などのメディア事業が打撃を受け、2020年の通期では約51億ドルもの赤字。
この決算内容だけ見ると、惨憺たる結果と言えます。
ただ利益の半分以上を占める本業の通信事業に関しては、第4四半期における月額払いの携帯利用者が約80万人の増加、動画通信サービス「HBOマックス」の契約者数も着々と増えており、悪いニュースばかりではありません。
ベライゾン
一方のベライゾンは、AT&Tと比べると非常に好調な決算内容です。
前年同期と比べると若干の売上減はあるものの、問題ないでしょう。
ただ携帯利用者が大幅に増加したAT&Tとは違い、ベライゾンは直近の四半期では約28万人の増加に留まっています。
5G関連でで競争がより激化するなか、どのような対応をしていくかがカギになりそうです。
株価
直近約10年の株価チャートです。
青がAT&T、赤がベライゾンを表していますが、比較してみるとその差は歴然ですね。
ただどちらも既に高配当を出している成熟企業なので、株価の伸びを期待するというよりかは、「いかに長期で安定した配当を維持できるか」が肝と考えています。
配当まわりの数字も確認してみよう!
配当
配当利回り
AT&Tは約7.2%、ベライゾンは約4.5%です。
AT&Tの利回り高すぎじゃないですか!?
そうだね。
コロナショック前の株価に戻っていないままの状態が続いちゃってるから、
ここ1年は配当利回りがかなり高くなってるね。
高配当はすごく嬉しいんだけど、5%を超えるとちょっと注意が必要だよ。
増配年数
AT&Tは36年、ベライゾンは16年連続増配中です。
さすがアメリカの優良企業ですね!
そうだね!
ただちょっと心配なのはAT&Tは毎年2月に0.01ドルの増配をするっていうのがここ数年の流れだったんだけど、2021年の今年の2月は増配しなかったんだ。
AT&Tは今後連続増配年数を維持できるかがポイントだね。
配当性向
AT&Tは約93%、ベライゾンは約49%です。
ベライゾンの方が配当に余力がありますね!
今後の事業方針について
AT&T
ディレクTV、タイム・ワーナーの買収と立て続けに大型案件の買収をしており、コンテンツビジネスでの市場シェア拡大に乗り出してはいるものの、衛星放送のディレクTVは動画ストリーミングサービスの台頭による需要減、タイム・ワーナー買収で乗り出したワーナーメディアは、Netflixやディズニープラスといった強力なライバルとのせめぎ合いが続いています。
またAT&Tは約1,500億ドルほどの長期債務を抱えており、このまま高い配当利回りを維持できるのか、今後の経営手腕が問われています。
ただ年末から多額の赤字を出しているディレクTVを売却するという話が出てきており、売却の話がまとまれば、今後収益率の高い事業へ集中投資をすることができますね。
どちらにしても、現状のままでは「厳しい」というのが、株価からも伺えます。
ただ経営陣としては、事業が厳しくても36年の連続増配は維持したいのではないでしょうか!?
ベライゾン・コミュニケーションズ
ベライゾンも積極的な事業買収は行っているものの、AT&Tほど大型の案件でなく、企業との提携することで本業に集中するような経営方針を取ってきました。ディズニープラスの無料提供がまさにその方向性を表しています。
ベライゾンも1,000億ドルを超える長期債務を抱えてはいるものの、5Gには巨額の投資が必要になりますし、現在の財務状況から考えても全く心配しておりません。
また配当性向から見ても増配の余地は充分にありますので今後の増配にも期待できますね。
AT&Tとベライゾン、どちらに投資するべきか?
AT&Tも36年連続増配というかなり魅力的な企業ではあるものの、直近の決算状況、買収した事業の不調、コロナウイルスによる先行きの見通しがあまり立っていない状況を見ると、ベライゾンに軍配が上がると考えています。
どちらも成熟企業ですし、グロース株ほど株価の成長に期待はできないので、長期保有をするのであればより財務状況が健全なベライゾンに投資をするでしょう。
ただ将来の見通しや株価の推移なんて誰にも予想できないので、
リスク許容度が高く、少しでも配当利回りの高い企業へ投資をしたいならAT&T
配当利回りを抑えてでも、より安全に投資をしたいならベライゾン
とご自身のリスク許容度に合わせて投資先を決めるのも良いかもしれません。
まとめ
- 長期で見ると財務状況、ビジネス展開からもベライゾンの方が魅力的
- AT&Tは通信事業での収益増、不採算事業の取捨選択で快方へ向かう可能性あり?
- ご自身のリスク許容度によって、投資先を選ぶのも良し
私がベライゾンに投資をしているというのもあって、若干ベライゾンをひいきしてしまった感はありますが、少しでも参考になれば嬉しいです!
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